猫柳の名前の由来と呼び名はじつはたくさんある！
猫柳という名前は、どこから来たのでしょうか？一言で言うと、花穂の形がネコのしっぽに似ているからです。猫柳の学名は、Salix gracilistylaといい、和名はネコヤナギと書きます。ヤナギ科の落葉低木で、別名でカワヤナギやエノコロヤナギとも呼ばれます。地方によっては、ネコやイヌ、ウシと結びついた呼び名があります。
例えば、ネコネコ、ネコジャラシ、ネコノマクラ、ニャンコノキ、イヌコロ、エノコロ、インコロ、イノコロヤナギ、ベコ、ベコベコ、ベコヤナギなどです。これらの呼び名は、花穂の形や色、毛の感触などに由来しています。猫柳は、日本人にとってなじみ深い植物なので、愛称も豊富なのですね。
猫柳の分布と生育環境
猫柳は、どこにどんな風に生えているのでしょうか？一言で言うと、日本やアジアの温暖湿潤な水辺に生えています。猫柳は、北海道から九州までの日本全土に分布しています。また、朝鮮半島や中国にも分布しています。山野の河川の水辺でよく見られますが、庭などにも植えられています。
猫柳は、他のヤナギ類よりも早く花を咲かせるので、春の訪れを告げる植物として知られています。猫柳は、暖かく湿潤な環境を好みます。他のヤナギ類よりも水際に生育し、株元は水に浸かるところに育ちます。水に浸かったところからは根を下ろして株が増えます。猫柳は、水の流れに沿って広がっていく植物なのです。
猫柳の特徴と利用法
猫柳は、どんな特徴があって、どうやって利用されているのでしょうか？一言で言うと、白い毛に覆われた花穂と細長い葉が特徴で、観賞や工芸などに利用されています。
猫柳は、落葉広葉樹の低木で、樹高は1～3メートルになります。枝は立ち上がるものと横に伸びるものがあり、樹形は立つものと這うものがあります。樹皮は暗灰色で、皮目が散在します。一年枝は褐色や緑褐色で毛が多く、小枝は折れにくいです。
花期は3～4月で、雌雄異株です。早春に葉に先立って赤い鱗片を脱いで、雄株と雌株がそれぞれ雄花と雌花を咲かせます。雄花序の長さは3～5センチメートルで紅色の葯から黄色い花粉を出し、花糸は2本合着して1本に見えます。雌花序は長さ2～4センチメートルで雄花序よりも細いです。雄雌とも花穂に銀白色の絹毛があり、よく目立ちます。花穂は小さな花の集合体で、へら状の小さな苞に、雄花は雄蕊、雌花は雌蕊がついていて、双方とも基部に密腺があります。苞の表面に発達した白い長毛がつきます。
果期は5～6月です。初夏には白い綿毛に包まれた種子を飛ばします。幅広くなった葉柄が花芽を包んでおり、秋に落葉すると花芽が現れます。
冬芽は互生し、革質で合わせ目のない赤褐色の芽鱗1枚に覆われており、軟毛が密生します。葉芽は小さく、円錐形で先がとがり、ふつう一年枝の上部と下部に伏生します。
